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事務所通信

令和7年10月
今期の決算に向けての「総仕上げ」を(実践編3)  
 
 社長の「今期やりたいこと」を数字に落とし込んだものが、経営計画です。経営計画は毎月の実績と照らし合わせてこそ、その真価を発揮します。期末まであと2か月のところまできたら、着地点を見据えながら今期の「総仕上げ」をしましょう。  ○まずは、上期の振り返りで検討した改善策の効果と今期の着地点を、数字を基に検証してみましょう。FXシリーズ「365日変動損益計算書」から、当期・前年同期・当期計画の数字を比較・確認できます。  ○黒字で着地しそうな場合は、納税額とともに決算対策も確認しておきましょう。決算対策においては、今期・翌期の売上や利益、従業員のモチベーションのアップにつながるような「前向きな決算対策」(減価償却資産の購入、決算賞与の支給など)を意識することが重要です。過度な節税は利益を縮小させ、資金繰りが苦しくなるなど、かえって悪手になることがあるので注意しましょう。

その「資産」、本当に「お金になる」もの?
「投資その他の資産」の中身をチェックしてみよう!

   
  貸借対照表(B/S)の「資産の部」に表示される固定資産のうち、長期的な保有を目的とした資産は「投資その他の資産」に区分されます。具体的には、投資有価証券、保険積立金、リゾート会員権・ゴルフ会員権などが該当します。  これらの資産は、すぐに現金化するのが難しい(=流動性が低い)という特徴があるため、いざというときに現金化できず、資金繰りが苦しくなってしまうおそれがあります。また、「含み損」が発生していたり、事業承継に影響を及ぼしたりすることもあります。  「投資その他の資産」に区分される資産は頻繁に取引されるものではないため、見落としがちなところでもあります。「凝り固まった」B/Sになっていないか、年1~2回は、自社の状況をチェックしましょう。


2026年1月1日施行「取適法(とりてきほう)」
中小企業も注意と対応が必要です

   
  中小企業を含めたすべての事業者が、適切な価格転嫁等ができる取引環境の整備・定着等を目的として、「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」が改正。「中小受託取引適正化法:取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)」に名称が変わります。「取適法」は、2026年1月1日から施行されます。  取適法では、適用対象となる取引の範囲を、①取引の内容と、②資本金基準または従業員基準――から定めています。今回の改正でいずれも見直しがなされたことにより、今後、中小企業は業務を委託する側と受託する側、どちらの立場にもなる可能性がありますので、注意が必要です。違反行為があった場合の罰則規定(50万円以下の罰金等)も定められています。  今のうちから取適法の概要をつかむとともに、①取適法対象となる取引・取引先の確認②必要な書面等の準備③従業員への周知――などの対応をしておきましょう。
     

令和7年9月
それって「福利厚生費」?  
 
「福利厚生費」といえば、一般に、従業員やその家族のために企業が任意で設ける福利厚生のための費用(法定外福利費)を指すことが多くなっています。具体的には、社宅の提供、社内レクリエーション(社員旅行など)、食事代の補助、慶弔見舞金――等が該当します。 税務上、「福利厚生費」として認められるためには、次の要件を満たす必要があります。
①全従業員が対象であること
②現金や換金性の高いものの支給ではないこと
③社会通念上妥当な金額であること
これらの要件を満たしていない場合、給与として取り扱われる可能性がありますので注意が必要です。

「自己資本」を意識して会社を変えよう
   
  貸借対照表(B/S)の「純資産の部」は、普段の経営であまり意識することは少ないかもしれませんが、会社の健全性・安定性が分かるため定期的な確認が必要です。
B/Sの「純資産の部」には、「創業から今までの、会社のあゆみ」が数字として表れています。いわば会社の「年輪」のようなもの。その積み重ねた年輪が、「自己資本」です。自己資本は、同じ貸方の「負債の部」で示されている他人資本(借入金等)とは異なり、返済が不要な資金で、主に「資本金」と「利益剰余金」とで構成されます。  
○資本金:会社の資産の基礎となるものです。会社を設立した時の、株主による金銭出資と現物出資で構成されます。  
○利益剰余金:創業から現在までの「税引後の当期利益」の累計額を表します。「その会社の利益を稼ぎ出す力の累積」と見ることもできます。  
総資本に占める自己資本の割合を示したものが「自己資本比率」です。自己資本比率が高いことは、他人資本(借入金等)に頼らずに事業を運営できていることを表します。予期せぬ経営環境の変化にも対応できることから、突然の倒産リスクもぐっと低くなります。また、生み出した利益(資金)を設備投資など、新たなチャレンジに活用することも可能です。  
中小企業の場合、自己資本比率を高めていくには、黒字決算を実現し、税金を納めて、利益剰余金を積み上げていくこと──が王道です。


考えてみませんか? 自社をとりまく「リスク」とその対策
   
  会社経営には、さまざまなリスクがつきもの。特に、労働災害等の「ヒト」、資産の故障・盗難等の「モノ」、取引先の倒産や損害賠償の支払い等の「カネ」に関わるリスクについては、自社に起こり得るケースとその対策をあらかじめ考えておくことが重要です。自社の実態を考慮しながら、どのような危機が起こり得るかを想定してみましょう。  「自社の実態の把握」には、日々の記帳と月次決算、そして会計事務所による月次巡回監査が基礎となります。例えば、固定資産台帳を見れば、いま、どんな資産をどれだけ会社が所有しているか、それらが消失等したときどんなリスクが想定されるか――といったことを考えるヒントになります。また、決算書を見れば、長期滞留している売掛金がどれだけあるか(=回収できていない売掛金がどれだけあるか)、つまり、業績が厳しくなってしまった取引先がどれだけあるか──など、取引先の倒産リスクを想定するベースとなります。このように、会計データは会社のリスクを考えるときの貴重な情報源となるのです。  自社が抱えるリスクについて、一度洗い出してみませんか。
     

令和7年8月
備えあれば、憂いなし 「税務調査」も怖くない!3つの「備え」   
 会社の「税務調査」と聞くと、なんとなく怖いイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。でも、税務調査のほとんどは申告書の内容の「確認」のために行われるもので、「適正申告」を行っていれば過度に心配する必要はありません。 加えて、次の3つの「備え」を実践していれば、税務調査にまつわるリスクや不安を減らすことにつながります。
(1)日々の「適時・正確」な記帳とその証拠書類(データ)をきちんと残しておく
(2)毎月、月次決算を行い会計事務所による「月次巡回監査」を受ける
(3)税理士法で定められた税理士による確認書面が申告書に添付されている
「税理士による確認書面」とは、顧問税理士が決算書や申告書の作成過程でどのように検討・判断したのかを記載したものです。この書面が申告書に添付されていると、税務調査の事前通知前に顧問税理士が税務署職員に意見を述べる機会(意見聴取)が与えられます。その結果、税務調査が省略される場合があります(書面添付制度)。書面添付制度は、突然の税務調査リスクを減らす、「あんしん」の制度ともいえます。


あらためてチェックしてみよう! 知っておきたい「借入金」のきほん
   
  「借入金」は、会計のルール(企業会計原則、中小会計要領等)に基づき、「短期借入金」(流動負債)と「長期借入金」(固定負債)に区分します。  
「短期借入金」とは、返済期限が1年以内に到来する借入金をいいます。仕入や家賃など日常の事業活動に必要な運転資金の借入れで、手形借入や当座借越等による短期継続融資も該当します。「長期借入金」とは、返済期限が1年を超える借入金をいい、建物・機械・車両などの購入や新技術の導入のための設備資金、一定期間の運転資金を借りる証書借入が該当します。なお、長期借入金には、返済期日での「一括返済」と、借入期間中にわたって分割返済する「約定返済」があり、約定返済のうち返済期限が1年以内に到来するものは「1年以内返済長期借入金」(流動負債)とします。  役員からの借入金は、金融機関からの借入金と区別して、別の勘定科目である「役員借入金」を使用して管理しましょう。また、役員借入金の「出所」は税務調査での確認事項の1つになります。お金の「出所」を明確に説明できるよう、現金でのやりとりは極力避け、役員の個人口座から振込で行い、振込明細を保管しておきましょう。


中小企業こそ活用したい「生成AI」あれこれ
   
  生成AIとは、人がPCやスマホから入力した「指示」(プロンプト)に応じて、インターネット上に公開されている膨大な文字・画像等の情報(ビッグデータ)から、指示内容に沿う「回答」をピックアップしてつくりだし、示してくれる技術のことです。まるで人のように文脈を理解した回答や、ユーザーには想像もつかないような斬新なアイデアを創出してくれるため、ビジネスシーンでの活用も進んでいます。  1人ひとりが担う仕事量が多い中小企業こそ、生成AIを活用するメリットは大きいといえます。人手不足の解消につながるのはもちろん、それまで大きな手間を割いていた事務作業を効率化して生まれた「空き時間」を、営業活動等、新たな収益を生む可能性がある業務に充てることもできます。  ただし、生成AIはインターネット上の情報から答えを導き出すため、ときに事実と異なる情報が示されることも。利用する際は、ファクトチェック(事実確認)を欠かさず行いましょう。また、著作権や商標権、意匠権など、他人の「権利の侵害」にあたらないかどうか――についても配慮する必要があります。