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事務所通信

令和7年2月
あらためてチェックしてみよう! 健全経営を支える経理の「きほん」   

 中小企業の経理担当者は、総務・人事・労務など複数の業務を兼務するケースが多いことでしょう。さまざまな業務をこなし、毎日の限られた時間の中では、記載事項等に不備のある証憑書類(領収書・請求書等)が回ってきても、「時間もないし……まあ、いいか」と目をつぶってしまいかねません。  けれども、実はそうした「まあ、いいか」は御法度です。日々の経理処理は、事業の実態をタイムリーに、かつ正確に把握するベースとなるもの。不確かな経理処理の積み重ねによってできあがる試算表や決算書は、当然、あいまいで不正確なものになり、その結果、社長は最適な経営判断を下すことが難しくなってしまいます。  また、「経理処理の不確かさ=お金の管理の甘さ」は、会社全体のモラルを低下させ、「公私混同」や不正を招く要因にもなります。経理処理こそ「基本に忠実」が重要です。あらためて自社の経理体制を見直してみましょう。また、適時・正確な経理処理のためには、①全従業員の協力②人為的ミスを減らす/防ぐ仕組みの導入(ダブルチェック体制の導入・業務の自動化)――も大切です。


きちんと実施していますか? 「棚卸」
   
  「棚卸」(実地棚卸)は、会社が保有する棚卸資産(商品、製品、仕掛品、原材料等)を数えて正確な数量や品質を確認する作業です。実地棚卸は、①正確な決算書の作成②適切な在庫管理③適正な税務申告――といった観点から、正しくかつ定期的な実施が求められています。  
①正確な決算書の作成:当期に仕入れた商品・製品等でも来期以降の売上に対応するのであれば、当期の売上原価にはならず、期末在庫(棚卸資産)となります。当期の売上高に対応する売上原価を計上することで正しい損益や資産が正確に決算書に表示されます。  
②適切な在庫管理:実地棚卸は、過剰在庫や不足在庫、商品等の破損・紛失等を発見することができる絶好の機会でもあります。発注量の調整や不良在庫の処分等、適切な在庫管理のために必要な情報を得ることができます。  
③適正な税務申告:「棚卸の計上漏れ=所得の過少申告」となるため、税務調査で確認される事項の1つに期末在庫の数量があります。社外の倉庫に預けてある商品や未着商品等のような「社外在庫」の確認はもれやすいため注意が必要です。  
日頃から入出庫管理の徹底や倉庫内の清掃・整理整頓をしておくとともに、決算時に加え定期的な実地棚卸(毎月、あるいは少なくとも3か月に1回の頻度が理想的)を心がけましょう。
人手不足解消に効果アリ!? 「リファラル採用」の特徴と注意点  

 「良い人を採用したいけれど、なかなか見つからない……」と、人材採用について悩まれている社長も多いのではないでしょうか。近年、特に若い世代の労働人口が減少しており、採用に関する競争率は格段に高くなっています。こうした中、中小企業でも比較的取り組みやすい採用手法として注目され始めているのが「リファラル採用」です。  リファラルとは「推薦」「紹介」という意味で、社員等に知人・友人を紹介してもらい、入社につなげるというもの。対象となる人材に直接アプローチできる点が、リファラル採用の最大の特徴です。知名度の高い大企業や地元の同業他社等との競合を避けられる――等のメリットがあることから、リファラル採用は、中小企業こそ試す価値があるといえます。  リファラル採用に取り組む場合には、会社の制度として規程を設け、社員に周知することが重要です。また、「社員が紹介したくなる良い職場」であることも大前提。採用の仕組みを整えることはもちろん、現社員に対する待遇面の改善等にもきちんと取り組みましょう。
     

令和7年1月
2025年に変わるヒト・モノ・カネ   

経営資源の3要素「ヒト」「モノ」「カネ」の視点から、2025年に起こりうる変化を考えてみましょう。  
○2025年に変わる 「ヒト」:75歳以上人口が全人口の約18%(約2,160万人)に  
 2025年は、1947年~1949年生まれの団塊世代のすべての人が75歳を迎え、75歳以上人口が全人口の約18%(約2,160万人)になると推計されています。少子化も相まって労働力不足が加速。人の採用がさらに困難になると予想されます。  
○2025年に変わる 「モノ」:デジタルを活用した「モノ」の進化は止まらない!   
 AI搭載家電をはじめ、顔認証機能を利用した無人コンビニや駅改札等も登場している昨今。また、テキスト生成だけでなく画像生成や動画生成等ができる生成AIも登場。今後は「どの生成AIを」「どの場面で」「どのように活用するか」がカギになりそうです。  
○2025年に変わる 「カネ」:「給与デジタル払い」普及元年に!?   
 2024年8月、厚生労働省が「PayPay」を「給与デジタル払い」の事業者に初指定。希望する会社は、一定の手続きのもと、従業員のPayPayアカウントに給与を支払うことができるようになりました。2025年は「給与デジタル払い」普及元年となりそうです。
いずれも、キーワードは「デジタル化」「DX」。しっかり対応して、これらの変化をチャンスへと変えていきましょう。


今年は“筋肉質”の会社をめざそう!
   
  「健康」な会社の貸借対照表(B/S)は、資金が潤沢で自己資本が充実しており、人の身体に例えると「筋肉質」といえます。    
会社の資金を増加させる方法は、①資本金を増やす②金融機関等から借り入れる③黒字決算によって利益を内部留保する――の3つの方法がありますが、このうち、もっとも確実に資金を増やす方法は「③黒字決算によって利益を内部留保する」です。  経営者の中には、「収支トントン」としたり、「赤字のほうが納税しなくてすむから得」と考えたりする方もいることでしょう。しかし、赤字経営は、確実に赤字分の資金を社外に流出させ、資金繰りに追われる経営に陥ります。中小企業の法人実効税率は約30%ですから、利益の中から3割を納税しても、残った7割を資金として残すことができます。そのため、「収支トントン」よりも、「利益を出して納税できる経営」をめざすことが重要です。  自己資本が充実すれば、借入金への依存度が小さくなり、会社の財務が安定します。経済の急激な変化や、パンデミック・災害のような危機への対応力も向上します。借入れによる資金調達をせずに設備や新事業への投資のほか、昇給など従業員の処遇改善に使うことも可能になります。黒字経営によって利益を内部留保し、「筋肉質」の会社をめざしましょう。
令和6年分 所得税確定申告の事前準備のポイント  

 令和7年2月17日(月)から3月17日(月)は、令和6年分所得税確定申告の期間です。  
個人事業者は、総収入金額や必要経費を集計して、令和6年分の事業所得の金額を算出します。仕入代金をはじめ、広告宣伝費、運送費、従業員給与、賃借料、減価償却費、水道光熱費、その他事業に必要な費用は必要経費になりますが、事業に関係のない支出は、家事費となるため正しく区分しましょう。また、必要経費と家事費が混在する家事関連費は、原則として必要経費とすることはできないものですが、面積、使用時間等の合理的な方法によって按分し、事業上必要な部分を明らかにすれば、その部分は必要経費となります。  なお、個人事業者等はもとより、経営者や会社員等の給与所得者でも一定の所得のある人、医療費控除等を受ける人は確定申告が必要です。
     

令和6年12月
今年は「年調減税事務」が必要です 令和6年分 年末調整手続きのポイント   

 年末調整は、給与所得者の所得税額を正確に計算し、源泉徴収税額との過不足額を精算する手続きです。令和6年分の年末調整では、6月から実施された定額減税(所得税分:1人あたり3万円)にかかる「年調減税事務」が必要になります。  年調減税事務においては、従業員から提出された「扶養控除等申告書」や「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」等をもとに、年末調整時点において定額減税の対象となる従業員、同一生計配偶者、扶養親族の人数等に変更がないかを確認し、減税額を確定します。  
以下に該当する場合には、注意が必要です。  
○令和6年6月2日以後に採用した従業員  
○令和6年6月以後、結婚・出生などがあった従業員(同一生計配偶者・扶養親族分)  
○給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えた従業員  
○同一生計配偶者・扶養親族ではなくなった人(就職、離婚、所得が48万円超等) など  
年末調整において確定した減税額等は、「給与所得の源泉徴収票」の「摘要」欄に記載することが必要になります。例年よりも早めに手続きを進めましょう。


もっとラクに、カンタンに! 今話題の「請求業務のデジタル化」
   
  経営において、お金を回収する「請求業務」は非常に大事です。一方で、「納品書等から請求書に転記する際に記載ミス・計算間違いをしてしまった」「取引先から『請求書の内容がインボイスの記載要件を満たしていないので再発行してほしい』と言われた」「請求時に『売れ筋商品』『商品の売れ時』をチェックしたいが、管理が煩雑」といった経験はありませんか。「請求業務のデジタル化」で、これらのミスや手間、コストを削減しましょう。  「請求業務のデジタル化」には、FXクラウドシリーズ「販売管理機能」が便利です。売上伝票を作成すると同時に①納品書・請求書等が作成できる②仕訳も自動計上される──などの特長があるため、請求書発行時のミス・モレが起きづらくなります。その上、インボイス制度にも完全対応。また、商品ごと・取引先別の販売管理データから「売れ筋商品」「よく売れる月」「安定して入金してもらえている取引先」を「見える化」。「何が・いつ・どれだけ・誰に」売れているかがいち早く把握できるため、販売戦略のヒントがつかめます。  請求書をPDF化してメールで送信している企業では、よりデジタル化を追求した「ペポルインボイス」の利用も視野に入れてみましょう。請求業務のデジタル化がさらに加速します。
考えていますか? 「自社株式」の贈与  

 「株式の保有者」=「株主」の権利は「財産権」と「経営権」。自社株式の大半を経営者が保有している中小企業では、これらを普段の経営で意識することは少ないかもしれませんが、特に事業承継時には重要になります。「いつ」「どのタイミングで」「どのくらいの株式を渡すのか」について、財産権と経営権を考慮しつつ、長期的な展望で後継者に渡す(贈与する)ことが重要です。自社株式の贈与の前には、①自社株評価②名義株等の整理③株式譲渡制限の有無の確認――をしておきましょう。  多くの場合、事業承継における自社株式の贈与は「暦年課税制度」「相続時精算課税制度」で行いますが、令和9年12月31日までは、「特例事業承継税制」を活用することも可能です。  複数年にわたる贈与は、毎年、自社株式の評価を行い、計画性をもって慎重に進めることが必要です。